はじめまして

2024.04.30 00:00|導入
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ヒンジ と申します!

この度、『トキメキ☆成均館スキャンダル』に感化され、二次小説を恥ずかしながら創作してみました。
拙い文章力ではありますが、よろしかったらお付き合いくださいませ。

はじめてお越しくださった方は、必ず 続きを読む>> をお読みください。

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固い決心 第12話

2017.10.20 18:00|第十七講 固い決心
落ち着きなく何度も振り返りながら、内棟へと向かうユニを見届け、スンホンはソンジュンに自室に上がるように促した。
ソンジュンは、内の動揺を見透かされないよう小さく息を吐いて、スンホンの後に続いた。

案内されたスンホンの自室は、部屋の広さがわからぬほど、壁には書架がずらりと並び、その前の床にも入りきらない書物が、足の踏み場を埋め尽くして堆く積みあがっていた。
日頃、下人に欠かさず手入れをさせている、父ジョンムの整然とした自室とは対照的だ。

城砦に囲まれるかのような奥に置かれた机の向こうに、スンホンは腰を下ろした。
それに続くソンジュンは、その机の前に膝をつくと姿勢を正した。

「そなたと娘のことは、ユンシクから話を聞いて承知しておる。
 だが、承知しておるだけで、承認しておるわけではない」

落ち着いたスンホンの言葉は端的で、この場を取り繕う言い訳など、何一つ受け付けない威圧感が、その姿から滲み出ていた。
”明倫の魔物”とかつて先輩儒生たちが恐れた博士は、目の前の人物であるに違いない。
ソンジュンは、膝の上で握り締めた拳が、汗で濡れるのを感じた。

「老論の頭領である左議政の子息であるそなたが、我が娘をどうしようというのだ。
 
 花妻にでもするか。
 それとも、一時の慰めにでもするか。
 返答如何によっては、もう2度と逢うことを許さん」

ソンジュンは、僅かばかりの唾を飲み込んで、喉を潤した。

「私はお嬢様を、花妻にするつもりも、一時の慰めにするつもりもありません。
 時期をみて、正式な結婚のお許しをいただくつもりでおりました」

「そなたは……世間というもの、老論というもの、
 ”左議政イ・ジョンム”という者を知っているのか。

 南人の娘など、そなたの屋敷の敷居を跨ぐことすら許されないだろう」

「わかっているつもりです。
 ですが、逃げるような真似もしたくない。
 そして……非難を恐れて、後悔したくないのです」

「後悔とは?」

スンホンの鋭い眼光が、ソンジュンを射抜いた。
血走って赤く見開かれた大きな瞳を、ソンジュンは臆することなく見返した。

「自分で決めたことは、自ら決着をつける。
 それが―――男だと思いました。

 今の私の歩む道には、傍らにお嬢様が必要なのです。
 そのことを、私の父と閣下にご理解いただくまで、何度でもお願いに伺います」

「そなたの決着は、”お願い”で済むことか。
 他の家の娘ならば、喜んで親は差し出すだろう。
 だが私は、ユニの行く末に確信が持てぬ限り、委ねることはできぬ。

 今のそなたは、左議政の息子であっても、それ以上ではないのだ。
 これから、どう自らを立志、世間を納得させるのか」

つかの間の沈黙が、ざわざわとソンジュンの血を沸き立たせた。

「位無きを患えず、立つ所以を患う―――
 
 これに続く語句は?」

スンホンは、不意に問うた。
ソンジュンは、深い記憶の中から、すぐに答えを導き出した。

「……己を知る莫きを患えず、知らるべきを為すを求むるなり。

 『里仁』の第四です」

「その意は?」

「地位が低いことや、周囲から認められないことを悩むより、認められるだけの実力がないことを悩むべきだと―――」

スンホンは目を閉じ、満足そうに頷いた。


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内棟の自室に戻ったユニは、部屋の中で落ち着きなく動きまわっていた。
ソンジュンが父と二人、どんな話をしているのか、気になって仕方がない。
だが、二人の会話を盗み聞きする勇気もない。
二人は、かなり長い時間、話し合っている様子だった。

しばらくして、タムが部屋にやってきて、ソンジュンが帰ったことを伝えた。

「……やっぱり、お父様にお叱りを受けたのかしら」

「嫁入り前の娘を一晩連れ出した男を、怒らない父親はおりませんよ」

そういったタムは、孫娘をなだめる祖母のような、穏やかな口調だった。

「ですが、私には旦那様が喜んでいるようにもみえたのです。
 いろいろなご事情のある若様であっても、一人の士太夫として、旦那様はお気に召したのかもしれませんね」

何か不思議な気持ちでタムの話を聞きながら、ユニは自らの手を胸に包み込んだ。
その薬指には、ソンジュンから貰った指輪がある。
ユニはそっと、その指輪を撫でた。


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開け放たれたスンホンの自室に、冷たい風が吹き込んできた。
無造作に置かれた書物の項が、次々と風でめくれて旗めいた。
いつも締め切っている部屋の淀んだ気が、一気に入れ替わるようだった。

スンホンは、書き置かれた書が風で飛ぶのを防ぎながら、先ほどの若者のことを思い出していた。


17-12.jpg

「―――そなたほどの才があれば、もっと早くに小科を受け、成均館へ入学することも容易かっただろう。
 なぜ、そうしなかったのだ」

「成均館へ入学し、大科を受ける―――
 それはすなわち、私の父の背を追うということです。
 私の父は偉大過ぎて……その道を追従することを躊躇っておりました」

そう話すソンジュンの顔は、歳に似つかない落ち着きをはらっていた。

「私の父は、老論の頭領。
 信念や国を憂う気持ちだけでは、人の心を一つに束ねることはできません。
 しかし、有り余る力や財を以てして従わせることが、真にこの国と民にとって相応しいことなのか……。

 私の真理は、ユニと目指すものの道の先にあるような気がするのです。
 その道をゆくために、私は―――父を超えなければならない」


その”道”は、平坦ではない。
かつて、自らが目指したかった”道”―――
それを、今の若い世代が目指そうとしている。

スンホンは、風に乗って滑る雲を、目を細めて見送った。

*********** 第十八講 10年前の真実 へ続く
↓ 後記があります^^

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固い決心 第11話

2017.10.06 18:00|第十七講 固い決心
ヨンハらが出ていくと、急に部屋は静寂に包まれた。
その静けさに耐えられなくなる前に、ユンシクは伏せ目がちなチョソンに声をかけた。

「久しぶりだというのに、こんな再会で申し訳ない……
 僕のことで、君にまで迷惑をかけたね」

空になりかけた器に茶を注ぎながら、チョソンはユンシクの変わらない実直さに目を細めた。

「……イ家の若様は、魂が惹かれ合うお相手に、出逢えたのですね」

「チョソン……」

「実は、気付いていました。
 あの入清斎(イプチョンジェ)の夜で、イ家の若様とユンシク様の姉上様が、惹かれ合っておいでなのを」

ユンシクは、苦笑して茶をすすった。
チョソンの人の心を読む才には敵わないなと、改めて思った。

「そして今もなお、そのことで苦しんでおられるのですね」

老論のイ家の子息と、南人のキム家の息女の恋―――
これがどれだけの危険を孕んでいるのか、チョソンにも恐ろしいほどによくわかる。
もし相手の娘が下賤な身分の出であったなら、ただの遊び相手として捨て置かれただろう。
だが、相手が政敵の娘となれば、政界を揺るがす騒動になるはずだ。

「二人は、諦めるのでも、逃げるのでもない道を選んだんだ。
 その道が、どこへ繋がるのかは、誰にもわからない。
 そして、今の僕の力では、どうにもならないことだ……」

静かな闇を湛えるユンシクの瞳をみて、チョソンはふっと微笑んだ。

「ユンシク様……
 私が以前、貴方様にお願いしたことは、すべて忘れてください」

ユンシクは、チョソンの話の意図がわからず、首を傾げる。

「私は、どれほど華やかに着飾ろうとも、卑しい妓生の身です。
 そんな私が貴方様に何かを求めるなど……最初から出過ぎたことでした。

 ここは男が楽しむ場。
 貴方様をおもてなしし、楽しんでいただく場です」

「チョソン……
 僕は君が卑しいなどとは、これまでも一度も思っていない。
 ただ僕の心が、君に応えられなかっただけだ」

ユンシクは、自分がチョソンのために何を言っても慰めにならないことはわかっていた。
だが、彼女が自らを貶めて納得しようとしている姿を見ることは、何よりも辛かった。

チョソンは静かに息を吐いた。

「後輩たちに言われました。
 ユンシク様が来られなくなって、つまらなくなったと……。
 
 貴方様は、ご自分で気付いておられないかもしれませんが、皆貴方様に惹かれているのです。
 それは、男女問わず……
 貴方様には、不思議と人を惹きつける魅力が御有りです。 

 もし、貴方様の心が赴くなら、以前のようにまた―――牡丹閣へ足を運んではいただけませんか?」

彼女の心の中には、まだ自分への気持ちは残っているかもしれない。
だが、人の心の中のことは、いつか自ら変わるまで、誰にも変えることはできない。

チョソンの穏やかな眼差しに、ユンシクは微笑んで頷き返した。


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草間の冷やりとした空気が、徐々に昇る陽に照らされ、靄を含んで立ち上った。
静かな孤島の長い夜は、二人にとっては短くも、共有する大切な時間になった。

二人が迎えの小舟で、再び漢陽に戻るころには、陽も高くなりつつあった。
ソンジュンは、ユニの身を案じて、屋敷の近くまで送り届けることにした。
というのは言い訳で、まだ彼女と離れ難くて側にいたかったのだ。
子供のように無邪気に微笑むユニの手をとり、伸びきった草に覆われた道を歩んだ。
繁華街から離れたここまでくれば、誰の目も憚ることなく触れ合える。
ユニは繋がれた手を伸ばして、道いっぱいに広がりながら、こちらを何度も見ては微笑んた。

緩やかに曲がる草道の先には、キム家の屋敷がある。
去りがたく、足がゆっくりと歩幅を縮めるころ、二人は道先の木立の下に人気があることに気付いて、慌てて繋いでいた手を引っ込めた。
そして、立ち止まったユニの顔から、見る間に血の気が引いていった。

「お父様……」

その言葉に、ソンジュンは呆然とその人物を見とめた。

その人、キム・スンホンは、草道を二人で歩いてきた二人に、特に驚いた様子もみせず、帰ってくるのをただ待っていたかのように、眉ひとつ動かさなかった。

「ついてきなさい」

一言そう告げると、スンホンは真っ直ぐに屋敷に入っていく。
まるで悪夢でも見ているかのような顔で、ユニはソンジュンと共に屋敷に入った。

17-11.jpg

「ユニ。
 お前は、自室に戻りなさい」

ユニは弾けたように、驚いて顔を上げた。

「お父様! 私―――」

「いいから、戻りなさい」

スンホンは、娘の顔を見ることなく、言葉を遮って語気を強めた。
瞬きもできずに揺れる瞳で、ユニはソンジュンを見上げる。
ソンジュンは、静かに頷いてユニを促した。
  
 

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プロフィール

ヒンジ

Author:ヒンジ
『トキメキ☆成均館スキャンダル』の二次小説を綴っています。
ドラマ版(ちょこっと原作も)のエピソードを交えたオリジナルストーリーです。

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コメント・メッセージのお返しなど、少々お待たせすることもあるかもしれません。ご了承ください(^^;)
いつもいつもお待たせして申し訳ありません……

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